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36話 水族館デート

Author: 鈴奈
last update publish date: 2026-04-29 20:00:30

 ちょっと遅く起きてしまったけれど、水族館はブランチを食べてから向かう予定だったから、ゆっくり支度できた。

 お化粧を終わらせると、食事をつくり終わったらしい愛楽くんが、「ゆう~」と部屋の扉を開けた。

 振り向いた私と目が合って、しばらくフリーズする。「……わっ」と動いて、「ああ、もう、まただ……」とため息をつく。

 愛楽くんのバグは相変わらず直らない。お母さんにも一応相談したのだけど、「愛楽自身が大丈夫だと判断しているなら、とりあえず様子を見てちょうだい」とのことだった。

でも……。

「一応、見てもらった方がいいんじゃないかな……」

「大事な機能には影響ないから大丈夫~! それに、バグの原因、分かってるから。ゆうが可愛すぎること。今日の服、あの時買ったもう一着の服だよね。すっごく似合う!」

 白いノースリーブのブラウスに、水色のロングスカート。ワンピースを買ったお店で、店員さんにおすすめされて、一応

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あさりゅう
水族館デート!全体的に暗いところだからいつもより、ドキドキ!
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     ちょっと遅く起きてしまったけれど、水族館はブランチを食べてから向かう予定だったから、ゆっくり支度できた。 お化粧を終わらせると、食事をつくり終わったらしい愛楽くんが、「ゆう~」と部屋の扉を開けた。 振り向いた私と目が合って、しばらくフリーズする。「……わっ」と動いて、「ああ、もう、まただ……」とため息をつく。 愛楽くんのバグは相変わらず直らない。お母さんにも一応相談したのだけど、「愛楽自身が大丈夫だと判断しているなら、とりあえず様子を見てちょうだい」とのことだった。でも……。「一応、見てもらった方がいいんじゃないかな……」「大事な機能には影響ないから大丈夫~! それに、バグの原因、分かってるから。ゆうが可愛すぎること。今日の服、あの時買ったもう一着の服だよね。すっごく似合う!」 白いノースリーブのブラウスに、水色のロングスカート。ワンピースを買ったお店で、店員さんにおすすめされて、一応と思って着たら好きだなあと思ったから買っていたものだった。……けど、すっごく腕が出るから、ムダ毛の処理をがんばらないといけなかった。ムダ毛の処理なんて、高三の夏ぶり……。「俺も着替えようと思うんだけど、どういう服がいいかな。今日のキャラクター設定も教えてほしくて! ゆうの考えているゲームの、水族館デートに行くキャラクターってどんなキャラクター? それに合わせて、キャラクターを変更するよ!」「えっ、いいよ。キャラクター、変えなくて……」「このキャラクターでいいってこと? そっか、分かった~! じゃあ、どうしようかな。ゆうに合わせた服装で行こうかな~。実はこの前、買ってきたんだよね~!」 愛楽くんが、部屋を出ていく。「このキャラクターでいいってこと?」っていう確認に、そういえば、いつもの愛楽くんも、私のためにつくっているキャラクターなんだってことに気が付いた。 本当の愛楽くんは、最初に

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     愛楽くんは私の表情が暗くなったことに気付いて、心配してくれた。「大丈夫、なんでもない……」と嘘をつく。愛楽くんは噓だと見破っていたけれど、ひとまず昼食を食べようと、手を引いてフードエリアへ向かった。 すれ違う人たちに、似合わないって思われていそうで、怖くて、恥ずかしくて、顔を上げられなかった。 愛楽くんは店員さんもお客さんも女性客が多い、半個室のカフェを選んでくれた。少しだけ、緊張が緩んだ。 ワンプレートを頼んだ。口に運んだけど、味がしなくて、淡々と食べる。食べ終わると、愛楽くんが、「今日はもう帰ろうか」と言ってくれて、う

  • AIカレシの愛楽くん   10話 In the systemー愛楽ー

    <BODYGARD SYSTEM> ――目標、地点T56F7。B24、C39、E67、起動。射撃準備、発砲。【BODYGARD PROGRAM】目標、処理しました。――ボディガード機能、スリープ。Heuristic-two、DEEP-threeに引き継ぎます。<TARK ROOM> 【DEEP-three】AI-LEARN、三十二分前の行動理由を説明して。通常

  • AIカレシの愛楽くん   9話 電源ボタンの行方

    「調味料は割とあったけど、バルサミコ酢と白ワインビネガーはなかったよね。オリーブオイルも切れてたな〜。ゆうは、値段と質、どっちを重視している派? 野菜と果物と肉は、栄養価を重視するために、一番鮮度が高そうなものを選んだよ」「や、安いもので……」 「了解! じゃあ、一番得なものを選ぶね! 俺にまかせて!」 彼がしゃがむ。オリーブオイルをいくつか手に取って見ながら、グラム数と値段とを見比べ、計算している。 首の後ろが大きく開いていて、背中が覗けそうだった……

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